照明の配置のコツは「光」と「影」のグラデーション
照明の配置をうまく使いこなそう
どう配置すれば、オシャレなライティングにできるかというと、基本は『光』と『影』のグラデーションをつくって部屋に立体感をもたすこと。
たとえば空間に"明るいところ"と"暗いところ"が出来ると、暗いところ(影)が奥行となって立体的な空間を演出してくれます。人の目は影によって立体物を認識するので、『光』と『影』のグラデーションをつくることで奥行が演出され、オシャレなライティングになるのです。
配置の"コツ"としてはお部屋の隅々まで均質に照らすのではなく、必要に応じて明かりを置き、『光』と『影』のグラデーションをつくること。例えば、"全般照明"の明かりを落とて"部分照明"を影のできた壁や天井、コーナーなどの数カ所に明かりを置いていきます。全般照明を一度消してから置いてみる方が考えやすいかもしれません。
そして、やっぱり一番気になるのは照明のデザインですよね。インテリアとしてのデザイン性はもちろんの事ですが、照明はシェードの形や向き、スリットの入り具合といったデザインによって照らす向きや範囲が変わり、設置場所の向き不向きも決まります。照明を選ぶときは、光の強さや届き方(範囲)、そして色などもしっかり確認することが大切です。ですが、あんまり難しく考えすぎても楽しくありません。やはり自分のイメージ通りの照明を選んで、向き不向きかを確認をしてちょっと"コツ"を使う、それだけでワンランク上のオシャレな部屋を楽しむことができます。
アッキーレ・カスティリオーニによるフロアスタンド。まるで光る柱のようなデザインの「STYLOS」は部屋のアクセント照明としての役割と共に、コーナーや壁面を照らす事で、空間の広がりを感じさせてくれます。
光の照らす高さを分けて配置することで、オシャレな部屋になります
光の照らす高さは、私達の気持ちを動かします。
目線よりも上から照らされる光には興奮。どんどん光が下がっていくにしたがって落ち着いてきます。これは日中に私達が体験している太陽の光と同じ心理現象なのです。
試しに懐中電灯で頭の上から→顔の正面→顔の下にと、目に直接光がさしこまない程度に試してみてください。光が上から下に降りてくると、だんだん落ち着いてくるのがわかると思います。
『光』と『影』のグラデーションでカッコイイお部屋にするライティングのコツ
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- 高い位置からの光
- 天井につけるシーリングライトは私達の気持ちを活動的にさせる位置で得に青白い光だと、仕事や勉強などに効果的。
- シャンデリアなどの豪華な照明は感動と躍動感をあたえてくれるので、パーティなどみんなで楽しむ空間に向いています。
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- 目線より下の位置にある光
- フットライトやインテリアライトは目線より光が下にあり、地平線や水平線に沈む夕日のように私達をリラックスさせる効果があります。特に寝る前などにオレンジ色の光で足下を照らしてすごすと、眠りにはいるのもスムーズです。
- テーブルライトやフットライトを読書をする手元や夜間での足元など、必要なところに置いてみてください。
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- 目線と同じくらいの位置にある光
- スポットライトやフロアスタンドライトは目線の高さに近い光。光が横向きに照らされるので空間が立体的に見えます。なんとなくお部屋がのっぺりしてる感じがすれば、壁面や観葉植物、時計など対象物をスポットライトで照らしてみてください。空間が広く演出されます。
- テーブルライトやペンダントライトもお部屋が立体的に見え、驚くほどおしゃれ空間に変身します。
高い位置からの光
高い位置からの光を出す照明として、ダウンライトやシーリングライト、スポットライト、シャンデリアなどがあります。くつろぐだけの部屋の場合は他の間接照明で光を補うので、天井からの光はかなり抑えめ良いです。くつろぐ部屋を作るなら、調光機能のついた照明がおすすめです。ゴージャス系ならシャンデリア、北欧風なら大きめのペンダントライトにしたり、種類は自分の好みの照明を好きに選べます。少し明かりを落としたオレンジの光の部屋に壁やインテリアを間接照明で照らせば、おしゃれなくつろぎ空間になります。 また、テレビの後ろの壁面を間接照明で照らすと目にも優しく、目の疲れを軽減できます。
逆に仕事や勉強をしたりする部屋の場合は、青白い明るめの空間が必要なので、シーリングライトのやはり調光機能がついた物がオススメです。LEDのシーリングライトで光の色を変えれる物もあるので、簡単に気持ちのスイッチ切り替えることができます。仕事や勉強をする手元だけを大きめのテーブルライト(青白い光のライト)で照らすのも良いかもしれません。まず、シーリングライトのデザインや雰囲気で他の間接照明の選び方も変わってきますので、まず、部屋のイメージを何系にするかを決めて、シーリングライト⇒壁面を照らす間接照明の順にやってみてください。
目線より下の位置にある光
目線より下の位置にある光とは、テーブルライトやフットライト、その他の間接照明を使った低い位置に設置している空間演出や利便性を考えた照明のこと。この低い位置に設置した光は、オレンジ色では焚き火や暖炉をイメージさせてリラックス効果。青白い光だと森の中の木漏れ日のようなイメージを連想させ楽しい気持ちにさせてくれます。観葉植物をスポットライトやインテリアライトを使い光をあててみたり、部屋の角や家具の上などに、ぽつぽつと光だまりのように配置するのがコツです。ベッドルームでは電球の光が直接目に入ってこない、シェードの付いたものや角度を調節するなどして、ふわっとした明かりにするのが良いでしょう。
フットライトとして足もとに設置する間接照明は、ソファの下や家具の下、ベッドの下などに最適です。ソファや家具、観葉植物の足もとに置くだけで、インテリアのシルエットがとても美しく浮かび上がり、簡単で素晴らしい演出ができます。廊下や階段の足もとを照らすフットライトは、比較的明るすぎない、ふわっとした光のものを等間隔で設置します。そうすると、連続した光だまりが出来きるので、廊下や階段も魅力ある1つの空間として再現できます。今はテープ型のLEDもあるので、厚みもなく簡単に取り付けることができますよ。
目線と同じくらいの位置にある光
目線と同じ高さの照明はフロアスタンドやペンダントライト、ブランケットなどがあります。この照明の主な役割は、空間演出に大きな力を発揮してくれるところです。インテリアを変えたのにオシャレな部屋にならないと思ったら‥ それは『陰影のリズムがないから』なのです。影があってこそ、光は生きてきます。モデルルームやおしゃれなレストランを見た時にオシャレだと思うのは、光と影が交互に織りなす空間だからであって、それに一役買ってくれるのが目線と同じ高さの光(横からの光)です。たとえば、部屋の角に照明を設置して壁を照らすと、横に空間が広がったように見え、さらにその反射でインテリアに影を落としてくれるので、インテリアのシルエットがしっかり浮き上がり立体感がでてきます。同じように、フロアスタンドを使って天井を明るく照らせば天井も高く見え、開放感のある空間ができあがります。また、カーテンやブラインドの上に蛍光灯を設置してみると、カーテンが神秘的に怪しく光って雰囲気がでますし、ブラインドのような格子状のものを光らすと、余分な光をそぎ落として空間全体を優しく包み込むような明かりに変わります。
スポットライトで部屋のシンボルを照らすのも、ぐっと部屋がオシャレになります。壁に掛けた思い出の写真や絵を照らせば、高級レストランの雰囲気に‥。人形でも植物でも、何でもいいので自分のお気に入りをライトアップすることで、そこに目線が集まり、フトした時の話題づくりにもつながります。人間は自分に光があたると無意識に緊張してしまうものです。自分に直接あたる光を減らして壁などの縦方向に光をあてると、心の解放感を促します。落ち着いたおしゃれなばバーへ行くと、カウンターや棚には光はあたっていても、お客さんには光があたらないように工夫されています。そういった工夫がオシャレで解放感のある部屋づくりにつながります。
最後に‥
そして、この3つのポイントを組み合わせながら、高・中・低の光の高さを自分の好きな照明で空間を照らすと、部屋に置いた家具などに立体感がうまれ、驚くほどに美しくおしゃれな部屋にしてくれます。部屋の片隅に置かれていたものや、壁の写真やソファなど、何となくそこにあったインテリアが、光と影のおかげで、しっかりとした存在感がうまれ、一段とおしゃれなインテリアになり、部屋をさらにグレードアップさせてくれます。