照明選びの種類について「おしゃれな部屋は複数照明」
照明選びの種類について
今みなさんのお部屋はどんな照明をお使いですか?
「ひと部屋に対して天井に大きめの照明をひとつ。」という方がほとんどではないでしょうか。長年、日本の住宅では「照明はひと部屋にひとつ」というのが一般的でした。最近ではライティングにこだわる方が増え、ずいぶん住宅環境も変わってきました。そこで、おしゃれなライティングの"コツ"である照明の種類選びについてお教えします。
ショップやホテルなど、オシャレだなぁと思う空間では、たくさんの照明が使われている気がしませんか?そう、オシャレな空間演出には複数の照明を使った「光の組み合わせ」は欠かせないのです。たくさんの種類がある照明は大きく分けると"全般照明"と"部分照明"のふたつ。
そしてこのふたつの照明を効果的に組み合わせることが、おしゃれなライティングの"コツ"なのです。
※複数の照明を使うと、必要な照明器具だけを点灯する事ができ、省エネにもつながります。
- 全般照明
- 空間全体を明るくするための照明。シーリングライトやペンダント、シャンデリア、ダウンライトなど。調光器で明るさをコントロールするのがおすすめ。やや暗めに設定することで、部分照明をより効果的に使用できます。
※ 蛍光灯器具の場合、調光器による調光はできません。
- 部分照明
- 全般照明を補う照明で、テーブルスタンドやフロアスタンド、フットライト、ブラケット、スポットライトなど。特定のものに視線を集めたり、空間に奥行きを持たせる(光と影のコントラストをもたせる)働きがあります。
アッキーレ・カスティリオーニによるフロアスタンド。まるで光る柱のようなデザインの「STYLOS」は部屋のアクセント照明としての役割と共に、コーナーや壁面を照らす事で、空間の広がりを感じさせてくれます。
部分照明(間接照明)の種類とその特徴を紹介
フロアスタンド、テーブルスタンド
最も手軽に設置できる照明器具。背の高いフロアスタンドから、テーブルやチェストなどの上に置いて利用できるタイプまで様々。ランプのシェードによって光の向きが変わり、開いている方向に強めの光を放ちます。ランプによってはシェード越しに光をやわらかく放つタイプもあります。
基本的には壁面やインテリアを照らして奥行きを出したり、光と影のメリハリを出して部屋の雰囲気を自在に操作する目的で使います。
ブラケット
壁に取り付けるタイプの照明器具。配線を壁の内部に埋め込む必要があるため、簡単に後で取り付けることが難しく壁を一回削るか壊さなくてはなりません。新築やリフォームをする場合にあらかじめ予定して、取り付けてもらうのが良いでしょう。
壁に光だまりができるため、ふわっと温かい気持ちになったり、部屋が広く感じられる効果があります。日本の住宅にはほとんど付いていない場合が多いブラケットは、機会があればリフォームに合わせて是非取り付けてもらいたい照明でもあります。
スポットライト
一定のポイントを重点的に照らす照明器具。方向性のある強めの光が、壁面にある絵画や写真、花瓶に生けられた花、オブジェクトなどを照らし、部屋全体の雰囲気をおしゃれに彩ります。スタンドタイプやダクトレールに取り付けるタイプなどは、工事不要で簡単に取り付けできます。
さらにスポットライトは上から照らすばかりではなく、下方向からのライトアップもかなり効果的です。観葉植物を下から照らしたり、家具の後ろ側や壁面の天井などを下からライトアップすれば、浮き上がったような不思議でおしゃれな空間に仕上がります。使いみちの多さはダントツの間接照明です。
フットライト
足元をやさしく照らす照明器具。廊下や階段、寝室などに取り付けて、うす暗い空間をほのかな明かりで足元を照らすことで、足元の安全確保だけでなく、おしゃれで落ち着いた空間にできます。各所につけるには大掛かりな工事が必要になりますが、コンセントがあれば簡単に取り付けられるタイプもあります。
等間隔でぽつぽつとフットライトを設置すれば、料亭の入り口のような落ち着いた和む動線になったり、一直線に動線を照らせば、アミューズメントパークの入り口のような楽しい雰囲気の明かりになります。テープタイプLEDもあるため、工事が必要なく思い通りの演出も可能になってきました。
部分照明(接照明)を使って、くつろぎの明かりで部屋を照らそう。
お部屋にアクセントをつける部分照明は、落ち着いた雰囲気にしたい場所。 高級感をかもし出したい場所に。
みんなが使うリビングにも間接照明はおすすめです。家族みんなでワイワイと騒ぐ時間は直接的な光の全般照明。落ち着いて過ごしたい時やお休み前などは間接照明に切り替えて過ごすと、雰囲気を手軽に変えられて気持ちもすっきりします。その他にもダイニング、寝室、廊下、玄関もお好みで間接照明を取り入れれば、高級感がでますよ。
全般照明(直接照明)に使用する照明の種類
シーリングライト
天井のローゼット(取り付け部)に直接取り付けて、ぶら下がらないタイプの照明器具。薄型のタイプが多いので邪魔にならず、天井が低くても圧迫感を感じさせないので、どんなお部屋でも利用できます。部屋全体を均一に照らすのでお部屋の照明の基本となり、ライトのカバーやランプを取り替えれば簡単にお部屋の雰囲気の模様替えができます。
仕事をしたり勉強をしたり、何か作業をする時に明るいシーリングライトは頭がスッキリして活動的になるので、作業効率が上がります。リラックスしたい時や就寝前などは少し明るさを落として使いたいので、調光機能が付いているものが必須になります。
シャンデリア
天井のローゼット(取り付け部)に直接取り付けて、部屋を豪華に演出してくれる照明器具。きらびやかで豪華なシャンデリアはそれだけでお部屋のイメージを明るくで華やかな雰囲気にしてくれます。重量により工事が必要になりますが、コンセントがあれば簡単に取り付けられる軽量タイプもあります。
シャンデリアは少し天井が高くないと、大きいのでジャマになりますが、高級感のある欧州風の部屋や、プリンセス系の部屋には絶対欠かせない照明です。あまり安価なシャンデリアは不具合が多く落下の危険性もあるので、ゴージャス系の照明をつけるなら、ある程度奮発して購入するのがおすすめです。
ペンダントライト
天井のローゼットやダクトレールに取り付け、そこからぶらさがっているタイプの照明器具。決まった位置に設置されているダイニングテーブルの上などが最適。目線に広がる空間にぶらさがっているペンダントライトが、インパクトを与えてくれるので、空間演出が自在に操作できる照明です。
お部屋やダイニングテーブルを照らす明かりだけでなく、消灯時(昼間)もインテリアの一部として見た目の雰囲気で部屋のイメージを決定づけてくれる、名脇役的な照明でもあります。
ダウンライト
壁に埋め込まれたタイプの照明。天井がすっきりして見え、基本的に下方向だけを照らすので、いくつか並べて設置したり間接照明と組み合わせて利用したりします。後付は難しく、新築やリフォームをする場合にあらかじめ予定して、取り付けてもらう必要があります。
ダウンライトは複数設置して部屋を照らすことが多く、優しい光で隅々まで照らしてくれます。スポット的に照らすので光だまりが部屋にいくつもでき、まるで森の木漏れ日のような癒される空間ができます。しかし、かなりの照明を使うため電気の消費量が多いのが欠点です。
直接照明は活動的な明かり。
お部屋全体を照らす直接照明は、仕事や勉強、家事といった
継続的に作業をする場所に。
おしゃれだからといって、間接照明ばかりに変えてしまうと、逆に違和感を感じて暮らしにくくなってしまいます。特に高齢者と子供部屋には注意が必要です。高齢者は頭の上に青白い光があると安心する人が多いですし、子供部屋は遊んでいたり勉強したりするのに部屋の隅々まで照らす直接照明が必要です。あとはキッチンなども直接照明の明かりが向いていますよ。